信濃の国では、甚平の帰りを心配し待ちわびている 奥様と子供の小次郎がいました。じきにこのことを知らせに信濃へ使いをたてました。
ビックリした奥方と息子の小次郎は、泣き泣き そろって大井宿を訪
ねました。はるばる信州から来た奥方と小次郎は、ねんごろな供養
をした後 お墓の上に小石を敷き詰め 宝篋印塔という立派な石の
塔を建てました。
残された犬と鷹は、どこまでも、食べ物も飲まず食わずで命の限り追
い続け死んでしまうことになりました。
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宝篋印塔を建てるとき、墓に小石を四方に積み上げ、そこに塔を建て
「大乗妙典」を写して法要を営まれたといわれています。
長国寺には甚平の乗馬の鞍とあぶみが残されており、
「長国寺殿根津甚平是行居士」の戒名がお位牌に書かれています。
また、鞍とあぶみは 松平定信の書いた「集古十種」という本に載せられています。
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