やっと桑下のキツネ穴まで三吉はたどり着きました。ひどい怪我でした。

が,とうとう死んでしまいました。お父さんギツネも母さんも姉さんギツネもみんな泣きました。

大粒の涙はいっぱい流れ落ちました。

キツネ穴にもお山にもその日はキツネ火も燃えず,暗くひっそりしていました。

そして、「コーン、コーン」と、低い泣き声がお山の風に乗って何処までも低く,低く流れました。

恵那手作り絵本の会